京都随一の景勝である嵐山と渡月橋を望む旅亭嵐月。日本古来の庭園手法である借景を用いて、嵐山の豊かな自然を部屋の中に取り込み、京の息吹を感じられるお宿を計画しました。川の流れや竹林などをモチーフに、部屋の随所に京都古来の素材を取り入れ、落ち着いた豊かな空間を創りました。
所在地 | 京都市右京区 |
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期間 | 設計期間 2022.06-2023.12 施工期間 2024.01-2024.06 |
用途 | 旅館 |
構造規模 | RC造(改修) |
京都随一の景勝である嵐山と渡月橋を望む旅亭嵐月。日本古来の庭園手法である借景を用いて、嵐山の豊かな自然を部屋の中に取り込み、京の息吹を感じられるお宿を計画しました。川の流れや竹林などをモチーフに、部屋の随所に京都古来の素材を取り入れ、落ち着いた豊かな空間を創りました。
所在地 | 京都市右京区 |
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期間 | 設計期間 2022.06-2023.12 施工期間 2024.01-2024.06 |
用途 | 旅館 |
構造規模 | RC造(改修) |
半露天風呂は、ゆっくりと過ごしていただくのに十分な広さを確保し、居間と同様のプライベートな寛ぎスペースの1つとなるように計画しました。外の景色を借景に坪庭を眺めながらゆったりと浴槽につかることができます。
信楽焼の浴槽に浸かりながら桂川沿いの嵐山の景色を望める半露天風呂。外部との間に坪庭を設け、桂川の流れをイメージした「流水紋」を白御影石と白玉砂利で表現しました。
近景の流水紋と遠景の嵐山の景色を同時に楽しむことができます。
木々の間を吹き抜ける心地よい風と、開放感を感じられる庭側客室の半露天風呂。流水紋の坪庭を通して桂川の流れも感じていただけるように計画しました。
竹林をモチーフにデザインされた通路を抜けると、小屋のような空間に青森ヒバの浴槽が鎮座しています。日本古来の浴室を彷彿とさせる空間は、木に囲まれた温もりと浴槽を包むような柔らかな光により、落ち着きのある雰囲気を楽しみながらお湯に浸かることができます。
浴室では景色や雰囲気を存分に楽しみながら、ゆったりと寛いでいただけるよう、シャワールームは浴室とは別に独立して設けています。
広々とした洗面室では2、3人が並んでゆっくりと身支度することができ、半露天風呂越しに外の景色を望むことができる客室もあります。
四季折々に生けられた草花がお客様をお迎えする客室の玄関。出入り口の床は足触りの良いナグリ加工の木の無垢材を用いました。嵐山の竹林を思わせる竹のパーティションは空間を演出しながら、水廻りの出入り口への視線を柔らかく遮っています。
手前の流水紋の坪庭とその先の桂川、嵐山の深い緑を眺めながら、ゆっくりと過ごせる居間。隣の寝室へとつながる板張りの天井と間接照明が空間の広がりを演出します。
寝室と居間の間は、表情豊かなタイルの壁でやんわりと仕切りました。奥の間接照明に照らされたヘッドボード上の壁は聚楽、手前のくつろぎスペースの壁と通路部分へ繋がる天井はナラ材と、様々な自然素材が持つ豊かな風合いを味わえる趣深い空間に仕上げました。
大きく配置されたL型のソファは、座る位置によって桂川の流れの先に渡月橋が見渡せたり、瓦屋根越しに佇む嵐山の山容が楽しめたりできます。タイル壁の奥には、程よく囲まれたお籠もり感のあるくつろぎスペースを設けました。予備の寝室としても利用できます。
寝室の窓には外からの視線を遮りつつ、柔らかな光を取り込む障子戸を設けました。閉めていても坪庭の流水紋を楽しめるようにデザインしています。
居間から、障子に切り取られた美しい嵐山の景色を楽しむ事ができます。
寝室と居間の間は、竹の断面を活かした透過性の高いパーティションで緩やかに仕切られています。また、居間の床レベルを下げることで、奥の寝室からも嵐山の景色を望める計画としました。
庭に面した客室の窓際には足を伸ばして寛げる大きなソファを配置しました。目前に広がる豊かな緑を楽しむことができます。
竹の断面を活かした透過性の高いパーティション。
コンパクトなワンルームの標準部屋では、脚を伸ばしてくつろげる大きなソファを計画し、小さいながらもゆったり寛げる空間を計画しました。
各食卓をブースで分け、落ち着いて食事ができるよう計画しました。ブースを繋ぐ通路は、格子や路傍に配置した玉砂利などで、京の路地をイメージにデザインしました。
庭に面したブースでは、手入れの行き届いた日本庭園を眺めながら食事を楽しむ事ができます。
庭に面していないブースは、坪庭を設けて、京の雰囲気を感じながら食事をすることができます。
ランドスケープデザイン(坪庭):SEA BASS
photo:Akiyoshi Fukuzawa