民泊にもとめられるもの

民泊とは

民泊とは、個人の住宅やマンションを、主にネットを通じて宿泊施設として貸し出すことをいいます。

今までは、お金を取って人を宿泊させるためには、ホテル・旅館や簡易宿所という、旅館業法の許可を取った施設である必要がありました。民泊は、ホテルや旅館に比べ運営上の制限はありますが、住宅を宿泊所として提供できるため、今まで眠っていた空家や借り手のつかないマンションを有効利用できる制度です。

民泊制度は、主に増え続けるインバウンドに対応するため、宿泊施設の不足を補完するために作られた制度なのですが、都市においてはホテルにはない強みがあります。

民泊施設の強み

民泊の強みは、大人数(特にファミリー層)を受け入れる事が可能なことです。

大人数のファミリーで泊まれる施設の需要は、外国人始め多くあるのですが、ホテルの場合、シングルやツイン部屋が多く、せいぜい一部屋あたり3人までしか対応できず、ファミリーで宿泊する人達は、廊下を挟んだ二部屋を取って、扉を開け放して利用しているケースもあるそうです。

その点、民泊の場合、1DKや1LDKの物件や、長屋の一軒家など、住宅用の比較的大きな部屋を提供できるので、ファミリー層に十分に対応することができます。この時、目一杯ベッドを詰め込んで収容人数を上げるのではなく、次の日の予定を立てたり、その日の旅で起こった出来事を語り合ったり、みんなでくつろげるスペースを作ることが大切です。限られた空間を生かして、旅先で家族の団らんを提供できるのが、これから求められる民泊施設だと思います。

この記事を書いた人

小田切 元

小田切 元

大阪を拠点に、日本全国の旅館の改修をはじめ、店舗、住宅といった建築の設計・監理を行う一級建築士事務所 LOCI+の代表です。

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